ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

組織と個人:「真実は酒の中に在る」byプラトン


ナリヌワイ氏が亡くなった


組織を裏切るものの末路は哀しいものになる

相場が決まっている、、、らしい


この哀しみを肥やしに
組織が太くなるというのが定石ということらしい



アフリカ大陸を
緑の草を求めてヌーの大群が大移動をする


群れからはぐれて孤立したヌーは
ライオンなどの肉食動物の格好の標的になるという


仲間から助けてもらえないからである



仲間を持つということには
大きく二つのメリットがある


他の集団からの保護を受けることと
集団内で排除されないことである



集団として生きていくように生まれた生き物が
たくさんいる


アリや
イワシや
人間である


他にもたくさんいる


集団として生きてゆくようにできているから
集団から外れると息絶える


そのように生まれてきたのだから
それに抗うことは
苦労に耐えないということになる



集団は流動的なところがある


別の集団の構成員が入ってきたり
構成員が出て行ったりする


個体は
集団を選ぶこともできる


この権利を剥奪するように
集団を裏切るものを征伐するような行動が
進化してきたのだろう


選択の自由の剥奪である


こうした自由を
構成員同士が剥奪し合うことで
組織が太くなり
個人が細くなっている


そのことを
組織員は感じているのだろう
居酒屋で愚痴の花が咲く


「真実は酒の中に在る」
プラトン先生の名言である


なぜ酒を呑むのだろう?



ナリヌワイ氏が亡くなった


身近でも起こり得ることである

組織と個人:道徳的言説と個人的お願い


「こういうことは良いことで
 ああいうことは悪いことです」


世の中には
こうした道徳的言説に満ち溢れている


このような道徳的言説により
人間の行動が制限されている


こうした道徳的言説とは別に
人間の行動を制限する言説に
個人的お願いがある


「こういう状態なので
 こうして欲しい」
「こうした事情なので
 ああしないで欲しい」


こうした個人的お願いには
それを発する者の心が現れている


これに対して
最初の道徳的言説には
それを発する者の心は現れてはいない


社会の心
神様の心
組織の心といったものを
それを発する者が代弁しているといった体裁がとられ
発言者は
自分を棚に置いて
どこかよそよそしくしているところがある


それでいて
その言説を裏切ることは
私を裏切ることではなく
社会を
神様を
組織を裏切ることであるという風な
威圧的なところがある


強制力を強くし
しかも
その言説に伴う責任は
自分ではなく
社会や
神様や
組織に在るのであるから
道徳的言説は
人を支配するには
もってこいのところがある


これに対して
個人的なお願いは
なんとも心もとない


聞き入れれれなければ
「そうですか」と引き下がるしか無いからである


だからなのだろう
道徳的言説の威を借り
個人的お願いをする輩が現れる


そして道徳的理由を背景に
個人的お願いをごり押しする


このごり押しは危険を伴る


それを見破られてしまえば
なんとも哀れて危ういお願いでもあるからである


お願いされた方は
ごり押しされたことに腹を立て
「最初から素直にお願いして貰えれば
 考えたのに」
というようなことにもなりかねない


言葉の中に
自分を入れるのか?
それとも外すのか?


思案のしどころの一つである

組織と個人:組織的「善」の凄惨


個人が
自分の利益ばかりを追求すると
わがままと言われるけれど
組織が
自分の利益ばかりを追求しても
組織の内部から
わがままと言われることはない


だから
組織の中に染まりきってしまうと
組織のわがままを
何の批判もなく実行してしまう


躊躇があっても
組織を批判しないことを「善」とする空気に
その躊躇を押し殺してしまう


心理学の一環として行われた
アイヒマンテストは
この「善」の空気の実存を示すものである


組織の「善」に従うのであれば
どんな残虐な行為も肯定されてしまう


ナチスによるユダヤ人迫害


戦場での殺戮


いじめ


残忍な行為に参加しないことの方が
「悪」として処罰されかねなのだから
残忍さを
為す方も
為される方も凄惨である


人類の歴史は
このような凄惨の歴史でもある


このような歴史を生き延びて来た私にも
この生産をもたらす心が備わっていることを
決して忘れてはならないだろう