人は
他の動物と同じように
生まれて
成長し
恋をして
子供を作り
育て
死んでゆく

この大きな道筋は
理性が誘導するものではなく
本能が導いてくれている

理性は
この導きを実現するために
最前線で活躍している営みだ

いわゆる最前線の戦闘員だ

大きな道筋が
内側から湧き上がる欲求であり
大本営というべき主体の中心だ

この道筋を叶えるためには
周辺との関係をうまく結ぶ必要があり
この関係を築く道具として
感覚器や
理性が備わっている

身体というセカンドワールドを保持するためには
その周囲にあるファーストワールドやサードワールドに
対峙しなければならない
このため
周辺との調和を築けるように
感覚器が働き
さらには記憶をもち
思考をできるようになってきた

本能は制約を創り大きな道筋を創造し
理性が周囲との調整を果たしているということだ

どちらかというと
本能は身体の内政を請け負い
理性は外交を請け負っているということも言うことでできるだろう

本能は
自分のことを主張し続けていればよいのかもしれないけれど
外交を請け負う理性は
己も知り敵も知らねばならないからとても大変だ

内なる欲求と
それを阻んだり助けてくれる
外部との接触が
理性を育る

この臨機応変の理性を
定型化してゆき
サードワールドが形成されてゆく

サードワルドは
セカンドワールドに画一性をもたらす技術により
維持される世界だ