生きるということは
生きるという奇跡的な筋道をたどるように制約され
この制約の中で実現している

しかし
この制約の中にあっても
選択肢の自由がある

目的を達するための手段として
右の道と
左の道がある
どちらの道を選んでも
目的が叶えば構わない

そんな自由が
大きな制約の中の
所々に散在している

椅子は
木製であっても
金属製であっても
椅子として機能する

言葉も
言い回しが違っていても
同じことを表現できる

目的を達するための手段としての現象には
代替性がある

目的は
世界内の現象の循環だ

循環するという奇跡から
外れぬように
制約され慣れなければ
世界は維持されない

逆に
この循環が維持できさえすれば
どのような代替的現象であっても
循環が連なれり循環すれば
世界は維持されてゆく

この代替性が
世界に多様性を拡げる

工業製品も代替的機能の追加で
進化し
代替的部品の多様化で
製品も多様化する

同じように
生命も
循環世界の追加により進化し
循環の代替的多様化により
生物種は多様化する

人格も同じだ

様々に多様化された世界が
その循環という目的を目指して
日々努力を重ねている

こうした世界は
物質的安定性により維持される世界ではない

現象が制約されながら循環し
ようやっと維持されている世界が
多様化しながら存続している