ルアーなお金たち、言葉たち、命たち

砂上の楼閣を上手に維持する共役反応の数々に感謝です。ルアーは反応の連鎖の象徴です。

局在と遷移:人間の自由と言葉の制限


言葉は
人間より偉くなければ
人間の自由を制限できない


そんな言葉を
人間は作り続ける


人間は
人間より偉い存在を創りたがる生き物の様だ


その偉い存在の下に
人間を配することにより
社会が成立している


社会の言葉の支配下に
私があるということだ


それでいて
私は
私の言葉の支配者である


私と言葉の関係は
相互支配の関係にある


このことは
人間より偉い存在の支配下にありながら
その偉い存在を支配したいとも思っているようなものである


私のためになる偉い存在を希求するということだ


その偉い存在が私の好みでなければならない
といったぐらいのわがままは認められると思っている節がある


神様も私好みなものがいい


このような思いを完全に抑え込む形で
人間より偉い存在が社会を圧巻している世の中では
それに対する不満が
ルネッサンス人間復興を叫ばせるのだろう


法律は私より偉い存在だ
国も
地方も
私より偉い存在だ


でも偉すぎては人間抑圧だ


言葉は
私を支配する


そして私はそれを疑う

局在と遷移:精神の傾向性と肉体の従順


精神は
今だけを生きていないから
高尚であり
下劣極まりない


肉体は今にとどまり続け
精神は過去や未来に遠ざかる


肉体はここにとどまり続け
精神はこの場所から遠ざかる


その精神も
自由に遠ざかるのではない


地獄を嫌い
天国を好む


そんな精神に引き回され
肉体は右往左往を繰り返す


地獄を嫌い
天国を好む


精神は肉体を熟知しているのだろう


肉体を加護し
肉体に喜びを与えようとし


肉体は
精神に奉仕しようと
自らを酷使する


この相互利他の傾向性が
精神と肉体を
循環し局在させている


肉体を酷使するばかりの精神に
肉体は従順であり続けることはできまい


精神の従順ならざるに
肉体を加護しようとする精神は育ちはしない


精神と肉体が
互いに高め合う傾向性の中で
好循環のスパイラルを形成し
局在の循環を維持している


環境に適した植物が生え
その植物がその環境を乱すことになれば
その植物もまた衰退する


精神は
肉体が衰退する未来を描きたくない


そんな優しい精神を
肉体が支持している


だから
人間の絶滅を眺める神様は
実存できずにいるのだろう


神様には
人間を愛する傾向性がある


決して全能なのではないのだろう


人間の絶滅をも受け入れる全能性など
人間の神様には持てぬのだろう

局在と遷移:効率化がもたらす精神の多様化


起きて半畳寝て一畳


そんな空間にしか人間の肉体は存在しないが
そこから移動しようとする精神が
狭苦しさを知覚する


カプセルホテルの一室の中で
睡眠の目的は達せられても
食事や排せつなどのためには
その一室から抜け出さなければならない


効率化は
概して
一つの目的の下に実践され
その他の目的に不便を来す


命をつなぐためには
いくつもの目標を達成する必要がある


餌を食べてばかりいて
天敵に捕食されてしまうのも
天敵にばかり気にして
ろくに餌を摂らないのも
命を危うくする要因だ


そこで
メリハリをつけることになる


餌を摂るべき時と
天敵に気を付けるべき時を設定し
適切な時に適切な目的達成のために効率的に行動する


こうして
行動規範が
時々で変遷することになる


仮言命法的に
行動変化させるのだ


それを
定言命法的でないと非難されたり
今、設定すべき目標が最適でないと指摘されたりするから
喧嘩の種となる


「人の気も知らないで」


精神が
押し込められた空間から移動したくなるように
義務の呪縛から逃れようと自由を求める


ひとところに押し込まれるように
特定の目的の下に押し込まれていては
より大きな循環に支障をきたすことになるから
自由を求めるのだろう


様々な目標を達成しながら
局在が維持されている


様々な目標達成手段を踏襲しながら
局在が維持されている


時に他の目標達成のために
おざなりにされながらも
目標達成が図られながら
局在が右往左往しながら
異なる精神の色を奏でながら
今を乗り越えてゆく